サメ映画って色々ありますけど「サメもこんなん作り出す人間のことをバカだと思うだろうな」という感想を抱くことはなかなかないです。一言で言うと「ものすごく脳が壊れる映画」ですね。これは……
とある田舎町のトウモロコシ畑で殺人事件が発生し、殺害現場の畑ではホホジロザメの目撃情報が相次いでいた。
時を同じくして、サメの顎を凶器に使う連続殺人鬼が逮捕されるが、これら全ての事件の背後にはサメを神と崇める邪教集団の陰謀が渦巻いていた。
果たして人類は最終鮫戦争<サメマゲドン>を阻止し、邪教徒の野望を打ち破ることができるのか…!?
このあらすじを見て一般的に抱く感想は「何言ってんのかさっぱりわからねえ」かと思いますが、ランドシャークやらスノーシャークやらを通過してくると次第に「陸地にサメがいるのは普通」と感じるようになるんですね。へえ〜今回はモロコシ畑に生息するサメなんだな〜それを信奉する人間たちね〜と、ここは素直に理解します。もしかしておれはすでに脳が壊れているのだろうか?
モロコシ畑、凄惨な血の海と化す
物語の導入はモロコシ畑のそばでピクニック(?)に興じる男女のシーンから始まります。二人はコーン祭りという地元イベントを通じて仲良くなった模様。コーンリカーをがぶ飲みする男性を微笑ましく見つめている女性。二人は次第にいい感じになり(雑)コーン畑の中を追いかけっこする戯れを始めます。女性は逃げながら一枚、また一枚と衣服を脱ぎ、男性を翻弄。
最終的に彼女はパンツ一枚の姿にまでなるのですが、男性はコーン酒の飲み過ぎにより道中敢えなく爆睡リタイア(何それ?)。しかし女性を追いかけ回しているのは男性だけではありませんでした。彼女を付け狙うかのように追いかけているのは、なんとホホジロザメだったのです! 書いてて具合悪くなってきたな。
サメ映画っていうかB級映画って常に女性が水着になったりと露出も多く際どい(絵的にいいかどうかは別です)シーンが多いですが、今回もまた無意味に脱ぎ出したのでそこはやっぱり笑いました。コーンの葉っぱとか茎とかが肌に当たって痛くないのかなというツッコミもしつつ見ていると、女性はホホジロザメに追いつかれ捕食されてしまいます。
謎の鮫カルトと信者
そんなセンセーショナルな幕開けに続いては、新たな登場人物の泊まるモーテルの部屋へ。薄暗い部屋に設けられた祭壇には、ホホジロザメの顎の骨や、サメに関する写真やら絵やら宗教的ななんかよくわからないあれこれが祀られています(すでに記憶がおぼろげ)。陶酔した目で眺めている一人の男性。この男性の正体はというと、サメの神を召喚するため、生贄となる人間を次々殺害している連続殺人犯。被害者の中に地元警察署長の妹がいたことにより、物語は複雑なねじれを見せていくのですが……
登場人物が無駄に多い
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最初の被害者カップル(男性は容疑者として被拘束)
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コーン畑を捜査する刑事と警官A
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サメカルト信者の殺人犯
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警察署長と署長代行みたいな警官B
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容疑者男性の兄(新聞記者)
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再選を目論む市長
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サメ問題を追う、謎の男性
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どう見ても子どもを含むマフィア四人組
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その他、すぐ死ぬ勢(雑)
これらの人々がだいたい3、4手に分かれてそれぞれ物語が展開します。それぞれの物語が複雑に絡み合っているようで絡み合っていないのがこの映画のすごい脳が壊れるポイントの一つでもあるんですが、なんだろう? たとえば刑事と警官のシーンからマフィア達のシーンに移るとすごいびっくりするんですよね。三分前とかにも見たはずなのに「ウワッ、そういえばこんな人たちいたわ!忘れてたわ!」みたいな、毎回新鮮に驚くんですよね。それくらいなんか、まず目の前で起きてることを処理するので脳がすごい疲弊する意味不明さだし、全体を通して脈絡がないんですよね。
ただ「どう見ても子どもを含むマフィア四人組」などに見られるように、なんか妙にキャラが立っていて異様な魅力があるところがまたこの映画の困るところでもあります。まあ、ただ単に「脳が理解できないこと=すごい」みたいに変換しているだけかもしれませんが……(ポジティブか?)
警察署はリビング、殺人犯とドライブ・マイ・カー
諸々の制約がある中でそれらしいセットを作るのには限界があると思いますが、あんまりにもあんまりだよ。警察署内の取調室で署長がカルト殺人犯を聴取するシーン、木製のテーブルにダイニングチェア、オフィスチェアなどの小道具が完全に自宅のリビングです。壁には指名手配犯のポスターが申し訳程度に貼ってあったりとなんとなく「らしさ」への努力は感じるものの、なんの役にも立っておらず笑います。警察署内での取り調べではなく完全に自宅でのくつろいだ語らいにしか見えません。
また、署長自らが犯人を車に乗せて遺体遺棄現場(コーン畑)へと向かうのですが、この車がどこをどう取っても警察の公用車に見えません。すごく普通の今朝家から乗ってきたみたいなセダンです。犯人は(チャチな)手錠をされ後部座席に座らされますが、運転席と後部を隔てるパネルみたいなのもなく今ひとつシリアスさに欠けます。
また、現場に向かう道中でサメ問題を追っている男性が歩いているところに遭遇。奇妙に感じた署長は彼を車に乗せることに決めます。やはり同じ場所を危険と睨み向かっていた男性は、流れのまま助手席へ。お互い自己紹介なども交えつつ、警察署長、連続殺人犯、たまたま道で拾われた男性の三人で和気藹々とサメ畑へのドライブを開始します。危なすぎだろ。
突然の急展開
警察署長らがコーン畑に向かっていたその頃、コーン畑ではすでにサメ討伐に乗り出している二人組がいました。新聞記者と市長です。新聞記者は質屋で手に入れたばかでかい銛のようなものを武器として装備。彼にはそれだけではなく、さらなる隠し球が配送中でした。
コーン畑の中から突如として現れた覆面配達人(なんで?)が新聞記者に手渡したのは「サメ避けブレスレット」。通常は海中で使う用途ですが、陸地でも効果があると見込んでの購入です。お買い求めはアメイジング・ドットコムで。プロント会員(プロント会員って何?)なら注文から4時間以内に配送とのことで、とってもありがたいですね!
厳重装備でコーン畑を捜索する二人でしたが、ブレスレットを装着していなかった市長はやはりサメに襲われて死亡。新聞記者も倒れて気を失いますが、ブレスレット効果なのかサメは新聞記者に一旦は近付くものの、なぜか離れて行きました。ついにこれがサメ打倒の鍵となるのか…!?
一方その頃、現場近くに到着した署長一行は署長が道中拾った男性を殴り倒すなどの急展開が起きていました。昏倒する男性を目の前にさすがの殺人犯も驚きを隠せない様子。
署長は胸元に隠していた信者の証(サメの歯で作った)ペンダントを取り出して見せ、「人生何一つ上手くいかない。誰も自分を気にかけなくてつらい。自分もサメの神と一体になり、亡くなった妹を復活させたい」などと殺人犯に吐露。ここで今一度確認なのですが、吐露している相手は自分の妹を死に追いやった張本人です。しかし署長はどういう心境変化なのかとにかくその相手を前に涙ながらに心のうちを語り、二人は同志として結託します。さて、もうだいぶ脳が壊れてきましたか?
ついに召喚されるサメ神
コーン畑は夜も更け、ついにこの地にてサメの神を召喚する準備がついに整います。サメ神の復活を固唾を飲んで待つ殺人犯と署長。少し離れた場所では、新聞記者と意識が回復したサメ問題追っかけ男性(実はCIAであることが発覚)が新たにタッグを組み、サメ神復活に備えひそかにその様子を伺っていました。
その晩は血塗れの月がなんちゃらで、そこにストーンヘンジの力が加わってどうとかこうとか(雑)により、とにかく非常に禍々しい空気の中、土の中から生贄被害者達が次々蘇ります。彼らは一様にサメマスクのようなものを被っており、さながらサメ人間ゾンビです(何それ?)。
そんな中、ついにサメ神が復活。体は人間、頭部は王冠を被ったインドネシアの神々のような方向性の、とにかく迫力ある感じの見た目です。彼らサメ神は二人おり、片方は女神らしくビキニのような衣装を着用しています。またそういういらないこだわり出すな。
殺人犯らが復活の歓喜に沸いたのも束の間、隠れていた新聞記者とCIA男性が飛び出します。新聞記者の投げた銛は神1を直撃。CIA男性が投げた手榴弾は神2の王冠の中に着弾。手榴弾は爆発し、二人は見事にサメ神を倒すことに成功したのでした。ブレスレットは……?
お互いを労い合う二人。やれやれこれで一安心と車に戻った二人でしたが、後部座席に謎の二人組が潜んでいたことには気づきませんでした……(終)
あっ、因みにマフィアはヘリコプターでコーン畑の上を飛んでいたら、飛び跳ねてきたモロコシ鮫にヘリに噛みつかれて爆死します!(何情報?)
時事ネタも絡めてくる
ときどき「もうマスクはいらない」みたいなパンデミックに絡めた発言が飛び出してきたりするのがある意味「時代」を感じてよかったです。「密だからソーシャルディスタンスが云々」みたいなジョークとか、殺人犯が「人間こそがウイルスだ!」とか言ってみたり。だからといって別に何一つ面白くはないんですけどね…
配信で日本語字幕付きで見れるのはとてもヤバイ
ということはさておき。以上を踏まえ、アマプラでレンタル500円払ってでも見てみたい方には強くお勧めします。脳が壊れたくない方はやめておきましょう。