ゴッドランドを見ました。書いとかないと忘れるので取り急ぎ観たメモを!
デンマークの若き牧師ルーカスは、植民地アイスランドの辺境の村に教会を建てるため布教の旅に出る。アイスランドの浜辺から馬に乗って遥か遠い目的地を目指すが、その道程は想像を絶する厳しさだった。デンマークを嫌うガイドの老人ラグナルと対立する中、思わぬアクシデントに見舞われたルーカスは狂気の淵へと追い込まれ、瀕死の状態でようやく村にたどり着くが……。
出典:映画.com
すごい狂気に満ちていて面白かったです。最初から全部失敗していてよかった。「失敗していて」というのは、まずこの主人公のデンマーク人牧師がアイスランドの地で色々苦難に遭うんですけど、その苦しみの原因がわりと全面的に自分の所業のせいなのと「アイスランドにキリスト教の教会を建てる」とかいうものの、ひたすら見せられるアイスランドの雄大にして厳しい自然の風景には「ここ既に色んな神々がいるじゃねーか」みたいな、人智では及びもつかないような圧倒的な「なにか」の気配が満ちていてこう、見ている側としては結構はなから色んなことを諦めながら見ていました。なんかね「ビョークを生み出した土地だぞ」みたいなところに暗黙の了解を見出す類の人間には特に通じると思っているんですけどどうですか(聞くな)
まあだからといって教会は建つのでそこは失敗しないんですが、それで楽しく終われないのがこの映画のいいところでした。言い出すときりがないので詳しくは各自でご鑑賞頂けるとさいわいです(羊の解体シーンが大丈夫な場合に限る)。
あとこの映画を見ていて思ったのは結構アピチャートポン・ウィーラセータクン作品っぽいというか、川とか滝とか海とか水がめちゃくちゃ出てくるのと、そういう自然と神話性みたいなところで「ブンミおじさんの森」を思い出したりしました。でもここの主人公は増水した川を見て「ただの水だ」と言ったり、とにかく色んな点でスタンスが違うんでしょうね……と思ったりもしました。良かったです。犬と子どもがいい塩梅に絵面を和らげてくれる、ビジュアルバランスの取れた作品でもありました。